先鋒となるのは、石川氏率いる「アイタス」なのではないかしらん。

2001 年 9 月 1 日

白鳥 亜寿 様
Office I’m Back

「アイタス」というよりは、アイタスを経営している石川氏個人についての話となるのだが、彼とは高校時代からの縁で何度か一緒に仕事をさせてもらったことがある。

その時、時代はモバイルのはしり。私が石川氏の事務所(当時「スタジオ石の字」)に自前のノートパソコンを持ち込み、携帯にケーブル式のアダプターを繋いで手間暇かけてネットに接続していると、石川氏は「オレはこれ」と、PHSに直接PCカードをセットできる最新型のモバイルグッズを見せびらかせてきた。

私はその最新型に驚嘆するとともに「ぜひともそれが欲しい」と思い、早速それと同じモノを手に入れた。

その後、また事務所に行く機会があり、最新型を手に入れた私は勇んで赴いた。私が「オレもこれにしたさ」とその最新型を取り出すと、石川氏は「今はこれ」と、今度はPCカードと一体されたPHSの最々新型を持ち出してきたのである。それを見た私はまたまた驚嘆すると同時に、こんな話を思い出した。

幕末のことである。
浪人坂本龍馬は普通の志士が持つ刀より数段長い刀を愛用していた。龍馬を敬慕していたある浪人はそれを見て、龍馬と同じ数段長い刀に持ち替えた。

そして勇んで龍馬の所へ行くと、龍馬は「わしゃこれじゃきに」と、ピストルを懐から取り出した。これを見た浪人は、ぜひともそのピストルを手に入れたいと思い、四方八方手を尽くしてようやくの思いでピストルを手に入れた。

そして早速龍馬の所へ行ってみると、「今はこれじゃきに」と今度は「万国公法」を取り出した、といった話である。

その龍馬が「尊皇攘夷」一辺倒で湧いていた幕末の世情にあって、「富国強兵」という新しい方針を打ち出し時代を旋回させたのは周知のことである。

現在も同じように「ITだ、ITだ」と猫も杓子もIT革命一辺倒な世情であり、しかもそのゆく末は甚だ不安である。もしこれを旋回させるとなれば、その急先鋒となるのは、石川氏率いる「アイタス」なのではないかしらん。

竜馬のエピソードを思い出してふとそう思った。

2001.09.01

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